こんいろのブログ

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

佐藤優樹・だーさく。

さくらはタクシーの中でリーダーに電話をする。
「譜久村さん、今東京駅にタクシーで向かってます。
メンバーと一緒の新幹線には間に合わないと
思いますが、次の新幹線で向かいますから」

「そう。わかった。メンバーの一人に切符を持たせて
いるから、一緒に来ればいいわ」

何とか二人は東京駅に到着して、八重洲口で待ってるはずの
メンバーを探した。
すると、佐藤優樹を見つける。

「まーちゃん!」
亜佑美とさくらは息せき切って優樹に駆け寄る。
優樹は二人を見て手を振ったが、側に行くと、
二人が手をしっかりと繋いでるのをじっと見てる。

亜佑美は気がつくと、そっとさくらの手を離す。

優樹はバックから二人の切符を取り出すと渡す。
切符は往復切符で一か月の有効期間があるので
どの新幹線にも乗れる。

少し待ってると、新青森行のはやぶさがホームに
入って来たので乗り込む。

何とか自由席の三人掛けの座席に座れる。
亜佑美は窓側の席を優樹に座らせる。
自分は通路側の席に着く。

少しして、はやぶさは発車したのでさくらはほっと
ひと息つく。

亜佑美が、『行きたくない』と言い出した時は一瞬
眼の前が真っ暗になったのだけど、

なんとか亜佑美を説得して無事に仙台へ向かう事が
出来てひと安心だった。

座席のテーブルを降ろすと、
亜佑美さんお腹がすいたでしょ。パンを食べましょう」

さくらは駅の自動販売機で買った三本のお茶の缶と
昨日の夕食の残りのポテトサラダをはさんだパンの
包みを取り出す。お茶の缶のひとつを優樹に渡す。

冷蔵庫に入れて置いたポテトサラダは普通に
食べられて美味しい。
パンを食べる亜佑美とさくらを見てる優樹に、

さくらが、
「まーちゃんは朝ごはんは食べたの?」
優樹はうなずいて、
「うん。食べたよ。まさきは朝早いから」

それを聞いてさくらは、あちゃーと頭に手をやって
「ほんとごめんなさいね。二人共寝過ごして~
昨夜、ちょっとあったので」

「ふ~ん、何かあったの?」

「そのお~ちょっとね」
と言ってさくらは亜佑美を見ると、

亜佑美が、
「あのね、二人でお風呂入ろうとして私がお風呂場で
転んで頭を打ったのよ。それでちょっとの間、気を
失ったのよ」
さくらが、
「本当に大変だったのよ。亜佑美さんの意識が無くて、
もう少しで救急車を呼ぶ所だったのよ」

優樹は身を乗り出して、
「へえ~それでどうしたの?」

さくらが、
「まあね、救急車を呼んでたら今頃は亜佑美さんは
この新幹線に乗って無いわね」
と、亜佑美を見る。

亜佑美は照れ笑いをして、
「そういうわけ。すぐに意識は戻ったみたいけど、
その後の事は正直よく憶えていないのよ」

もちろん、気絶してる間にママの夢を見ておっぱい欲しさに
さくらのお乳に吸い付こうとした事などは言えない。

さくらは、うまくごまかしたなと思った。

優樹はその辺は追及しないで、別の観点から言い出す。
「それであゆみんとおだんごは、いつも一緒にお風呂に
入るんだ」

思わずさくらと亜佑美はお互いの顔を見合した。
 
最初に一緒にお風呂に入ろうと言い出したくせに、
さくらはもじもじして下を向いている。
それで亜佑美が、

「その~さくらと一緒にお風呂に入るのは、昨夜が
初めてだったの。いつも一緒に入るわけでは、無いの」

優樹はふ~んとうなずくと、追及してくる。
「そうなんだ。それで、洗いっことかしたの?」

亜佑美は、
「そ、そうね、それは・・・」とさくらを見る。
さくらはぱっと顔を上げると、
「もちろんしたわ。亜佑美さんの髪を洗ってあげたり」
毅然として言う。

それで優樹は納得したようで、窓の外を見る。

二人はようやく安心してパンを食べ終わる。
亜佑美がお茶の缶をパキッと開けてひと口飲んだ時、

優樹がぱっと二人を見ると、

「あのね、同棲ってどういう事?」

亜佑美はお茶を思い切りブワーーーーーッ!?と
吹き出してしまい、ゴホゴホっと咳き込む!

あわててさくらはその背中をさする。

亜佑美は何とか立ち直ると、

「ど、同棲って、誰が言ったのー?」

「メンバーの皆が言ってるよ。あゆみんとおだんごは
同棲してる。と言うから~何かな?って思ってたの」

亜佑美は、
「その~あのね~、それは同居って事なの。
お家賃を半分こにしたら節約出来るでしょ。
だから・・・」

首をかしげる優樹、

さくらは亜佑美を制して、
「それは、違うの。同棲。とは好きな人と一緒に
住む事。それが同棲なの!」

優樹はうなずいて、

「そうなんだ。大好きな人と一緒に住む事。
それが同棲なんだ」

亜佑美が、
「そうよ。まーちゃんにも大好きな人がいるでしょ」

「うん。まさきが好きな人はいっぱいいるよ。
たなさたん。みにしげさん」

さくらが、
「そうね。卒業したメンバーだけでなく、
現役のモーニング娘。メンバーにもいるよね」

「うん。ふくぬらさん、さやしさん。あゆみん、
はるなん。おだんご。皆大好きだよ~」(2015年当時)

「一人、大好きなメンバーを忘れてるよ」

優樹は頭をかいて、
「忘れてるわけじゃないよ、くどぅは特別な子だよ」

「そうなんだ。くどぅと一緒に住みたい?」

優樹は首をかしげると、

「う~ん、わかんない。
でもね、大きな誰もいない森の中に小屋を建てて、
そこでくどぅと二人だけで住んでみたい気もする」

亜佑美はうなずいて、
「そうよ。それがまーちゃんにとっての
同棲になるのかな。良いわね」

優樹は少し考えて、
「でも、今は出来ないよね。二人共モーニング娘。
だもん。何年かして、くどぅもまさきも卒業したら、
森の中で、一緒に住んでみたい気がする」


終わり。


2021年9月24日。佐藤優樹モーニング娘。を卒業
する事を発表しました。

だーさくのラストを飾るつもりで、優樹を

登場させたのですが、
そのタイミングで悪いタイミングなのか、良いタイミング
なのか、まーちゃんの卒業が発表されてしまっては、
これ以上は、書き続ける事は出来ません。
これをもって完結として、だーさくシリーズを
終了とさせていただきます。

Twitterや自分のブログで閲覧して頂きました皆様には
お礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。

 

終わり。