こんいろのブログ

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

アイドルは悪魔の子供 続編  七

 

かみこがスマホを切ると、

小鳩が「今のは、アヤカさんなの」
かみこは、アヤカ大天使から神子には会わせられない
と、にべもなく断られた事を言い出せなかった。

小鳩はすぐに察して、しばらくうつ向いて黙っていたが
顔を上げて手で涙を拭うと、かみこに抱きついて来て、

「ごめんなさい。年甲斐もなく大きな声を出して
かみこを困らせちゃったわね。いいえ、年を取った
せいなのよ。年を取ると聞き分けがなくなるの」

かみこは強く首を振ると、
「ママ、謝るのは私の方よ。ママに隠し事をしてた
私が悪いのよ・・・」

小鳩は強く抱きしめてから顔を上げてかみこを見詰めると
「愛してる。今目の前に一番愛しい子が居る事を
忘れてしまっていたのよ。本当にごめんなさい」

かみこは首を何度も何度も振って抱きしめて来る。
「ママ、私も愛してる」

「かみこと一緒に毎日こうやって幸せに暮らして
行ける事に感謝しなくてはいけないのにね。
さあ、お腹が空いたわね。夕ご飯の支度をするわ」
「ママ!夕食は私が作るわ」

小鳩は笑顔で、「じゃあ一緒に作ろう」

夕食をすませると、今夜は珍しく小鳩は先に入るね。と
一人でお風呂に入って行った。いつも一緒なのに。

かみこは夕食の後片付けをしながらママの事を
考えていた。何かママにして上げられる事を考えたが
何も思い浮かばない。

その時スマホの着信音が聞こえて来た。
番号を見るとアヤカからだった。

かみこが出るとアヤカは名前を言った後、
少しの間黙っている。
それでかみこは小鳩が言った事をそのまま伝えた。そして

「アヤカさん、私がママにしてあげられる事を
教えてください。ママがとても寂しそうなんです!」

アヤカは少し考えていたが、
「少しだけど、思い当たる事があるの」

「思い当たる事って何ですかーー!?」

「かみこさん。あなたは時々、神子の事を感じる事が
あるかしら?」

「感じる。ってどういう事ですか?!」

「文字通り感じる事よ。悪魔の子供であるあなた
だけが感じる事よ。受信って言ってもいいかな」

「受信。って!もしかして神子ママからのですか?」

「そうよ。神子からの交信よ」


続く。