こんいろのブログ

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

アイドルは悪魔の子供 続編 九

大天使アヤカから、かみこのスマホへ連絡が来た。

かみこが出ると、
「今、あなたのマンションの真上に来てるの。
すぐに屋上へ来れるかしら」

息せき切って屋上へ駆け上がって空を見ると、
夕暮れの空にひと筋の光の光跡が見えた。
ゆっくりと西から東へ移動している。衛星のようだ。

「衛星が見えました。迎えに来てください」

「自分でこちらへ上がってらっしゃい」

「はあああぁー?そんな事出来ないですよー無理です!」

「今のあなたなら出来るはずよ。では私がラインを
送るからそれを目標に飛び上がればいいのよ」

見てると、確かに光のラインがかみこに向かって
降りて来たのでそれに向かって飛び上がったら
身体が浮き上がり数十秒で衛星内に飛び込んでいた。

アヤカが笑顔で迎えてくれる。

「いらっしゃい」
「やれば出来るんですね」

アヤカはうなずいて、
「神子と連絡がついたわ。事情を話したら了解
してくれてすぐにでもあなたに送信すると」

「私はどうしたらいいのですか?」

「神子の顔が浮かんだらそれを小鳩さんに送り込めば
いいのよ。あなたなら出来るはずよ」

「どうやってママに送り込むのですか」

「そうね。小鳩さんの手を握ってやればいいのよ」

「そうですか。どれくらい時間がかかるのですか?」

「神子とループで話したのは、三日ほど前だったから
今日にでも神子の姿を見られるわ。すごいものね。
神子の送信能力は光速を越えたのよ。なぜだかわかる?」

かみこが首を振ると、

「神子は、愛情という名の通信を送れるのよ」

かみこは、
「ママと神子ママの絆のたまものなんですね」

「そうよ。もちろんあなたと神子の絆もね」


突然、アヤカが立ち上がった。

「ちょっと急いだ方がいいみたいね」

アヤカの表情が厳しくなり、唇を噛みしめている。

かみこは首をかしげたが、
「そうですか。では家へ降りてみます」

アヤカはかみこに近づくとギュッと抱きしめて、
「あなただと少し時間がかかるわ。私が送るわ」

一瞬稲妻が走ったような衝撃を感じて、ほんの数秒間で
二人は小鳩が居るマンションの屋上に達した。

続いてすぐにワープして小鳩のいるマンションのドアの
前に降り立った。

かみこはわけがわからない。なぜそんなに急ぐのだろう?

部屋に入るとアヤカは、
「この感じは以前経験した事と同じみたい。やっかいな事が
起きかかっているわ」

かみこに、
「小鳩さんは居間にいるようね。あなたは気を落ち着けて
ゆっくりと行きなさい。何が起ころうとしても落ち着いて
行動しなさい」

アヤカの様子から何か恐ろしい事が起ころうとしているのを
感じた。

かみこはゆっくりと居間のドアを開けた。

ソファーに座った小鳩の後ろ姿が見えた。

かみこはゴクリと唾を呑み込んで、

「ママ・・・・」と声をかけた。

 

続く