こんいろのブログ

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

アイドルは悪魔の子供 続編 八

アヤカは、かみこに、

「あなたは神子の夢を見る事がある?
あの人工衛星の中で神子と対面した以来だけど」

「はい。時々あります。神子ママの姿や声を明確に
見る事が出来ます」

「それは寝てる時だけではなくて、日中のふとした時に
神子の姿を感じる事がある?」

かみこは顔を輝かして、
「あります!それが神子ママを『感じる』という
事なんですね」

アヤカは少し考えていたが、
「私も一度だけど、もしかしたら神子からかもしれない
というぼんやりとしたものを感じた事があるの。
あなた達親子はそれがはっきりとした姿や声を感じるのよ」

「それは、つまり神子ママがわたしに向かってなにか、
一種のテレパシーを送信して来るという事ですか!」

「そうよ。機械的なループ通信では無くて、神子の意志で、
百万光年先の惑星から地球に向かって送信して来るのよ」

「素晴らしいですー!?じゃあ、もしかしたらママも
それを感じる事が出来るかもしれないーー?!」

「・・・それは、出来ないと思うな」

「なぜなんですか?」
かみこは、はっとなってすぐに気がついた。

「ママは、ママは人間に過ぎないから・・・」

「そうよ。でも、可能性が無いわけではないの」

「それを教えてください!」

「小鳩さんは、あなたを産んだ本当の親子よ。
あなたは小鳩さんと会話しなくても心が通じ合った
事があるはずよ」

「はい。ママのお腹の中に居る時からママの考える
事がわかっていました。生まれてからもママの心の
中を通じ合っていました。でも一度それを言葉で
出した事がありました。その時はママはすごい
驚いた顔をしていました。

ママは心の中をわたしに読まれる事を嫌がっていると
感じたので、わたしはそれ以降ママと通じ合うのを
意識的に遮断して止めてしまったのです」

「そう。では今小鳩さんと心で通じ合う事を再開出来る?」

「はい。出来ると思います」

「わかったわ。それとあなたは神子に返信は出来るの?」

「今のところ返信は出来ないみたいなんです」

「じゃあ、神子とループ通信をしてその事を話すは。
それからあなたに送信してくるまでは、そんなに
時間はかからないと思うわ。一ヶ月以内かな
また連絡するわ」

そう言ってアヤカはスマホを切った。

その後、小鳩とかみこの日常は一見元に戻ったように
見えるけど、ひとつだけ違っていた。それは
小鳩がかみこを抱いてくれなくなった事だった。

お風呂はまた一緒に入るようになったし一緒のベッドで
寝ているのだけど、肌を合わせて愛し合う事がないのだ。
その事をかみこが不満をもらすと、小鳩は、

「もうかみこは子供じゃないんだからそういうのは
止めましょう。そうだ、彼女の若菜ちゃんを抱きなさい」
と、取り合わない。

「もお~若菜ちゃんはソロの活動で忙しいし、彼女とママは
別よ。一番愛してるのはママなんだから」

かみこは、ベッドで背中を向けて寝ている小鳩に、
「もしかして、わたしを抱くと神子ママを思い出すから?」

小鳩は、「そんな事は無い」というが
ふとした時に見せる横顔がなんだか寂しそうに見える。


続く。