こんいろのブログ

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

スーパーノヴァ

アヤカは抱きしめたかみこの顔を見ながら、

「私の力及ばず、サターンが小鳩ママをどうしても
消してしまう。と言われたらどうする?
サターンは頑固で言い出したら聞かないのよ」

かみこは、しばらくアヤカを見詰めていたが、
「サターンは誰にも止められないのですか」

アヤカはうなずいて、
「サターンを止められる者はこの銀河系には
存在しないわ」

かみこはきっと顔を上げて、
「わたしが止めてみせます。
わたしにとってママは何よりも代えがたい
存在なのです。ママを消してしまうサターンは
許しがたい存在です」

かみこはきっぱりと言い切った。

アヤカは唖然としてかみこを見た。

「サターン自体は大した事は無いの。もしかしたら
あなたと一対一だったら勝負はわからないわ。

でも仮にも銀河系を支配しているサターンだから
二重三重の強力なガードで守られてるの。
悪意を持って近づく者はすぐに消されてしまうの」

「ようするにサターンが消滅してしまえばいいわけ
なんでしょう。わたしが消します」

アヤカは呆れかえって、
「その自信はどこからくるの?
どうするか教えてくれない」

かみこは少し考えていたが、
「まず一切の悪意を消してサターンに近づきます。
それはアヤカは協力してくれますね?」

アヤカは、
「物騒な事はしないという前提ならば、協力するわ」

「それで、平身低頭でサターンに近づいて、抱きつきます」

「親愛の情で持ってお願いするというわけね」

「抱きついてしまえばこちらの物です。
がっちりと抱きついて、たとえガードの悪魔達が
何をしようが絶対に離れません」

アヤカは首を捻りながら、
「それで?」

「それで、私は自爆します。サターンもろとも」

アヤカは驚愕の表情でかみこを凝視して、
「じ、自爆って・・・・」

「一度、自分が興奮する事があって、その時
身体が熱くなったのです。試しに興奮し続けたら、
そしたら際限なく熱が上がっていき、数百度以上もの
高熱に上がっていったので止めました。

それで確信したのです。これ以上熱が上がれば、
自分の身体で爆発が起こるのだと確信しました。

ただ高熱になるだけでは、たとえ数千数万度でも
サターンもわたしも死にません。
それに、ただの爆発では二人とも消えません。

恒星の最後『超新星爆発 スーパーノヴァ』級の
小規模だけど恒星が消えてしまうほどの爆発が
起これば、サターンとわたしは消えてしまうのです。

限度を超えて、数億度になればスーパーノヴァ級の
爆発が起こると確信しました」

アヤカは大きなため息をつくと、
「・・・それであなたがスーパーノヴァで自爆
したら、地球も爆発するの?」

かみこは首を振って、
「それは無いと思います。せいぜい、
自分と、抱きつかれているサターンが爆発する
ぐらいでしょうね」

かみこは、抱きついているアヤカの身体が
こまかく震えているのがわかった。

アヤカが、

「あなたは恐ろしい人ね。いや悪魔だけど。

って、今私達は抱き合ってるけど、あなたが
スーパーノヴァで爆発したら私も消えるのね」

かみこは微笑んで、
「大天使アヤカと一緒に死ねるなら本望です。
冗談ですが。

これはわたしが出来るなら、ほとんどの悪魔も
出来るはずです。大天使も同じだと思います」

アヤカは笑えなかった、
「私はまだ愛する者を残して消えるわけには
いかないわ」
かみこのように、憂佳や薫のために自爆する自信は無い。

 

アヤカとかみこは衛星から地上のレストランの
屋上にワープして降りた。

かみこはレストランに入ると、不思議な事に
憂佳、薫、小鳩のいるテーブルの上に後光が
差しているのが見えた。

憂佳と小鳩は普通の人間なのだから、後光は
薫の上に差しているようだ。
薫は、アヤカが産んだのだから言わば薫は直系の
大天使の血を引いているわけだと思う。

かみこを産んだ小鳩は人間なのだからかみこには
後光は差さないのだろう。それに神子は悪魔だから
大天使と違って後光は無いのかもしれない。

小鳩は二人を見ると、立ち上がってかみこに近づくと、
抱き合った。
アヤカはあらためてかみこと小鳩の絆の深さを感じる。

憂佳と薫も立ってアヤカに身を寄せて来る。

その二人を抱きしめながらアヤカは、
この二人のためなら、消えても良いと思い直した。


アンジュルムの武道館公演が開幕する。