こんいろのブログ

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

アイドルは悪魔の子供 続編 四

「それで、わたしが何をやったのか。というのを
聞かせて欲しいな」

 

小鳩はうなづくと、しばらく考えてこれから話す事を
頭の中でまとめる事にした。

小鳩はこれまでの人生は刹那的に生きて来た。
問題が起きた時、考えて行動する事は苦手ですべて直感で
行動をした。大抵の場合それは上手く行かなくて、時には
最悪の結果になる事が多い。
それは性分で、年を取って今更変える事は出来ない。

ある日突然出現した悪魔の神子と悪魔と人間の垣根を越えて
愛し合うになりパートナーとして、幸せの日々を送って
いたが、それも神子が悪魔界の掟を破ったとして神子は
サターンの制裁で地球から何万光年先の星へ飛ばされて
しまった。

そして神子の忘れ形見のかみことの生活は順調とはいかない。
問題は生活費で、マンションは神子が買ってくれたけど、
毎月の高級マンションの管理費が結構な額になり、
小鳩は安月給のくせに浪費家でクレカで後先考えずに
使ってしまい、月末には口座の残額が無くなってしまい
食費など生活費さえ買えないはめになる。

小鳩は自分は我慢して、かみこにだけ食べたい物を作り
食べさせていた。かみこは小鳩が何も食べずに見ている
だけなのを不思議に思って問いただすと、

「大丈夫、会社の帰りに食べてるから今お腹いっぱいよ」

小鳩はファッションやアクセサリーには浪費するけど、
不思議に食欲にはあまり関心が無く、ただお腹を
満たせば良いと思っていて、食費が無くてもスーパーで
期限切れの半額のパンなどを腹に詰め込むだけだった。

もちろん給料が振り込まれたらレストランにかみこと
行ってごちそうを食べるのだけど。

やがて成長したかみこは我家の家計の事がわかるように
なり、仕事をしてお金を稼ぎ家計を助けたいと思って
どんな仕事が良いかと考えて、株式投資に行き当たる。

国立国会図書館の蔵書をほとんど暗記してしまうほどの
頭脳を持っているかみこは、それを株式投資に生かして
わずか五万円の元手の資金で売り買いをしてたちまち
資金を一千万円に増やした口座を小鳩に見せた。

小鳩をそれを見て目を丸くして驚きながら、
「すごーーーい!?一千万円もある銀行口座なんて
初めて見たわ!これなら何でも買えるわね~!」

かみこはそれを聞いて、やや警戒感を抱きながら
もう小鳩にはこの口座の預金額は小鳩に見せないように
する事にした。

我家の光熱費、マンションの管理費、食費などのすべての
生活費は全部かみこの口座から払う事にする。
小鳩の給料は小鳩に自由にまかせる。

小鳩は自分の給料を自由に使える事に単純に喜んでいる。
それで今までおさえていた浪費癖がムクムクと頭を
もたげてくる。

ある休日の日、二人はドライブに行く事なったのだけど、
小鳩は愛車のロードスターの運転席に腰を降ろすと、
助手席のかみこを見ると、言った。

「ねぇ~かみこぉ~」
と甘ったれた声を出した。

かみこはふと嫌な予感がした。
「なによ、ママ」

「ねぇ~ねぇ~この車もそろそろ買い替えの時期だと
思うのだけど」

小鳩の趣味の一つは車なのだった。

「この前、良い車を見つけたの~」

かみこはピンと来て、まず車の値段を聞く。
「そう。その車はいくらするの?」

「それが国産車だから安いよ。たったの三百万円!」


続く。